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威風凛然全校流し踊り

晴天に恵まれた10月11日土曜日、田子高等学校の文化祭前日祭として、全校生徒によるナニャドヤラ流し踊りが田子町で行われました。

郷土芸能部顧問の伊藤先生によると、流し踊りの歴史は古く、三戸高等学校田子分校時代の昭和47年11月に
「第1回」文化祭が行われており、その際「流し踊り」が行われた写真が残っています。おそらく「田子らしいものを」と
いうことから始められたのではないかと思われるとのことです。その文化祭で、女子は「流し踊り」、男子は「仮装」をしていた年もあったようです。

この前日祭に向け、9月の最終週から毎日放課後に1時間、郷土芸能部の生徒が指導して、全校生徒が練習を
積んできました。郷土芸能部は、5月から11月の毎週木曜日の放課後18:30から19:30が基本的な練習日で、
後は、大会・イベント等の前に必要に応じて練習日を組みます。時間は、本来の部活動が終了してからの開始です。
生徒は全員が何らかの部活動に所属しており、郷土芸能部に参加する生徒はこの期間、本来の部活と掛け持ちとなります。
試合や発表会もある中で、郷土の伝統継承に努力する姿に頭が下がる思いがしました。

田子町のメインストリートには、この日の流し踊りを楽しみにしている町民をはじめ、たくさんの方々がつめかけ、
生徒達の踊りの列に見入っていました。列は5つの集団からなり、女子、男子、太鼓、男子、女子の順で並びます。
それぞれの集団の前後は郷土芸能部が占め、間に一般の生徒が入ります。
先頭を務めるのは生徒会長(今年は副会長)、続いて郷土芸能部部長です。

流し踊りは、男子の力強さと女子のおしとやかさが加わって、見る者をうっとりさせます。
「はんてん」とお揃いの浴衣は学校の備品としてあるそうですが、今日の浴衣は自前のものだと郷土芸能部部長の
川端玲美さんが教えてくれました。
バスケットボール部副部長でもある川端さんは、
「60日近い練習日の1日も休まず練習した成果が出たと思います。全校生徒が一生懸命取り組んだから成功できたし、
楽しめたと思います。いつもお世話になっている町の皆さんへの感謝の気持ちを込めて踊りました。」
また「沿道のお客様にお褒めの言葉をいただいてうれしかった。」と、笑顔で答えてくれました。

野球部で生徒会副会長の腰巡光徳さんは
「指を骨折し練習を3回休んでしまったが、力強く”妖艶”を心がけて踊った。たくさんの方に囲まれて恥ずかしかったが、
堂々と踊ることができたと思う。」
と踊りの出来に満足そうでした。

郷土芸能部は近年、青森県高等学校総合文化祭・郷土芸能部門で最優秀賞を続けて受賞、さらに全国高等学校
総合文化祭・郷土芸能部門でも最優秀賞を受賞している実績を持ちます。
また、各種イベントへの出演や町内外の児童・福祉施設の慰問活動なども行っており、今年度は東日本大震災で
被災した岩手県野田村へ慰問を行ったということです。
郷土を愛し、昔から伝わる田子高等学校の郷土芸能の伝統を、これからも守っていってほしいと思います。