ふるさと「大久喜」の海の恵みに感謝
取材地:八戸市立大久喜小学校
取材日:2022年6月16日
取材者:吉田 柳子
今から40年程前、小学校の宿泊学習以来の種差海岸。
オリエンテーリングで班ごとに種差少年自然の家から歩いて周辺を散策したことや、種差海岸の芝生の上を駆け回って遊んだことなどを思い出しながら、懐かしい気持ちでこの地を訪れました。
あの頃は、周囲の景色はあまり記憶に残りませんでしたが、この年になって訪れると、 こんなにも素晴らしい景色だったんだと、改めて絶景に囲まれた光景に感動してきました。
今回取材した八戸市立大久喜小学校は、種差海岸から近い、八戸市内では一番海に近い小学校です。
初夏の恒例行事である「しおかぜ遠足」で、海に近い学校でしか体験できない「ウニ」の殻むき体験を行うということで、取材をさせていただきました。
この活動は、地元の大久喜・法師浜漁業生産部会の方々にご協力をいただき、児童に地域産業を知ってもらうこと、そして地域愛を育てることを目的として、2004年からスタートしました。
例年、大久喜漁港で実施していますが、今年は、潮風が冷たかったこともあり、大久喜漁業生産部会倉庫での殻むき体験となりました。
全校児童24名。
先生お手製のビニールエプロンを身に着け、学校を元気に出発。
体験場所となる大久喜漁業生産部会倉庫は、学校のすぐ裏にあります。
靴を消毒してから中へ。
生産部会の方々が提供してくれた採れたてのムラサキウニとバフンウニ、合わせて約70㎏に、児童が殻むきしやすいように、一つずつ鎌で切り込みを入れる作業です。
私も以前、殻むきにチャレンジしたことがありますが、とげが痛いのと、どこに切り込みを入れれば良いか全くわからず、トゲ交じりの崩れたウニとなった経験があります。
準備が整ったところで、いよいよ殻むき体験スタートです。
~はじめのセレモニー~
生産部会の方々に児童代表があいさつ。
「生産部会の皆さんが集めてくださったウニを大事に剥いて、大きな海の豊かさを感じます」
と今日の意気込みを述べました。
学年ごとのテーブルに新鮮なウニが配られます。
1年生は、初めての殻むき体験です。
先生が、児童の目線に立って、ゆっくりとわかりやすく剥き方を教えているのが印象的でした。
殻と身の間に専用のスプーンを入れて、そ~っと身を外します。
外した身は、水の入った容器へ入れます。
ウニが餌とする昆布などの海藻が身にへばりついているため、丁寧にピンセットで取り除く、根気のいる作業です。
~生産部会の方にインタビュー~
児童たちに直撃インタビュー!!
「体験の感想を教えてください」
「大変だけど、楽しいです」
「ウニが大きくて、身がたくさん詰まっていて、食べるのが楽しみです」
「ウニ丼にして醤油をかけて食べるのが一番好きです」
「他の学校では体験できないことが体験できてありがたいです」
「楽しいけれど、腰が痛いです。ウニを食べるまでには大変な作業があるんだな、と思いました」
~1時間かけて、ようやく作業終了~
~作業終了後、ほっと一息~
作業を終えたところに、生産部会の方々から、タコの足の差し入れです。
まだ動いているタコと戯れています。
大きな水槽で手洗い。一足早い夏だね。
~終わりのセレモニー~
児童代表より生産部会の方々へお礼のあいさつです。
「今日は僕たちのために、ウニを用意してくれてありがとうございました。ウニの剥き方がよくわかりました。
来年から中学生のため、今年で最後の殻むき体験です。名残り惜しいです」
髙橋校長先生からのお話です。
「ここ大久喜でしか体験できない特別な体験ができたことに感謝しましょう。
今日は、生産部会の方々のご厚意と海に感謝して、ウニ丼を給食のとき美味しくいただきましょう」
~みなさん、お疲れさまでした~
今日頑張った成果です。バケツいっぱいこんなに剥きました。
剥いたウニは、早速、給食でウニ丼にしておいしくいただいたとのことでした。
大久喜の海の恵みに感謝して・・・
帰宅後・・・
皆さんと一緒には食べられませんでしたが、おみやげにいただいたウニで、ウニ丼を作りました。
口の中でとろける触感。濃厚な甘さとみんなの頑張りが加わって、とてもおいしかったです。
今日の貴重な体験を通して、きっと児童たちに、地元を愛する心が芽生え、地元産業の継承につながっていくことと信じています。
大久喜小学校、両生産部会の皆さん、ご協力いただきありがとうございました。