「♪せ~ぎ(関)のねぷたは世界一」-地域を元気に-
取材地:平川市立碇ヶ関小中学校
取材日:2023年10月7日
取材者:吉田 柳子
全校児童生徒82名の平川市立碇ヶ関小中学校。
小中併置校となって今年度で2年目を迎えました。
今回、10月6日、7日の2日間にわたって行われた小中合同文化祭「三笠っ子フェスティバル」のねぷた運行を取材しました。
ねぷた運行が始まったのは、1988年。
当時、文化祭で何をやりたいのか尋ねられた碇ヶ関中学校の3年生が「ねぷたをやりたい」と言ったことから、中学校の行事としてねぷた運行が始まりました。そして、併置校となった昨年度からは小中合同での運行になりました。
今年のテーマは「新時代」。体育館の壁にも飾られていました。
ねぷた製作は中学生が担当。運行開始以降、現在も学年で1台ずつ計3台製作しています。下書き、ロウ描き、色付け、紙貼りまでの工程を7日間で行いました。
躍動感溢れる鏡絵と、見送り絵は細かいところまで丁寧に描かれていて、艶やかでした。
今年度の運行が終わったら、校内の廊下に展示されます。
先頭を歩く前ねぷたは小学校高学年が担当しました。
昨年のねぷた絵が廊下に展示されています。どの作品も力作でした。
●ねぷた運行 午前の部(第1部)●
運行は、午前の部(第1部)と午後の部(第2部)の2部構成。
午前の部は、残念ながら小雨により体育館での運行となりました。
~ 出発セレモニー ~
「♪ヤーヤドー」の掛け声の練習です。
元気な掛け声が体育館いっぱいに響き渡っていました。
出陣式では、「三笠っ子たち」のまとめ役となる体育保健委員長が、一致団結したいという思いから、アドリブで円陣を組ませ、気合を入れるよう場を盛り上げていました。
保護者が2階ギャラリーから見守る中、いよいよ運行開始です。
~ ねぷた運行 ~
みんなお揃いのオレンジの法被(はっぴ)を身にまといスタンバイ。
響き渡る笛の音、力強い太鼓のリズム、児童たちが綱を持ち、ねぷたを引きます。
校長先生と小学校6年生が前ねぷたを担当。先頭を歩きます。
「♪ヤーヤドー」の元気な掛け声が、体育館いっぱいに響き渡りました。
カメラ片手に私も心が弾み、思わず一緒に掛け声を。
―♪ヤーヤドー!(津軽に生まれて良かったぁ~~)。
~ ねぷた演舞 ~
体育館を何周か運行した後は、ねぷた演舞の披露です。
体育保健委員長の合図で、一回転させたり、上に持ち上げます。
パワー溢れる、見応え充分な演舞!!
体育館の中とは思えないほどの躍動感で、魅入ってしまいました。
●●●ブレイクタイム●●●
午後の部(第2部)を控えたお昼の休憩時間に、前日使用したゲームコーナーを見学。
中学生が小学生を楽しませようと作った金魚すくい、ワニワニパニック、輪投げコーナーなど。
その他、お化け屋敷もありました。
~金魚すくい~
~ワニワニパニックと輪投げ~
~お化け屋敷~
お化けが隠れるスペースや、あちこちの壁に目が貼ってあったり、黒髪のかつらが吊るされているなどの様々な工夫が施されていて、児童たちもさぞかし怖かったことでしょう。
この間に天気が回復し、午後の部は地域運行となったため、ねぷたを体育館から外へ運び出す作業も見学しました。
出発前、学年ごとにねぷたの前で記念写真を撮りました。
●ねぷた運行 午後の部(第2部)●
~ ねぷた運行 ~
第2部は中学生が中心となり、近隣の介護老人施設やこども園を回り、ねぷた演舞を披露します。
さあ、いよいよ出発です。
―天気が回復して良かった。
秋のねぷたも趣きがあって良かったです。
笛の音も素晴らしかった!!
「♪ヤーヤドー」の元気な掛け声が、街中に響きます。
「♪じっちゃも、ばっちゃも、見でけろじゃ~」の掛け声が印象的でした。
お囃子を聞いて、近隣住民が沿道に…。
生徒たちが手作りの金魚ねぷたをプレゼントしていました。
~ ねぷた演舞 ~
施設に到着し、玄関前でねぷた演舞の披露です。
秋空に色鮮やかなねぷたが映え、圧巻でした。
入所者が笑顔で拍手を送り、心から楽しんでいる様子が充分伝わりました。
また、感謝の言葉を頂いていました。
●閉会式●
ライトアップしたねぷたも幻想的で素敵!!
ねぷた運行終了後、体育館に戻ると「三笠っ子フェスティバル」の閉会式が行われ、中学生による感想発表が始まりました。
生徒代表からは、少人数でも小中みんなで協力して頑張ったことで、「三笠っ子フェスティバル」が良いものにできたという達成感。そして、活動を見守ってくれた保護者や地域の方々への感謝の気持ちが述べられました。
今回、ねぷた運行というフェスティバルの一部だけの取材でしたが、少人数をものともしないパワーを感じ、地域を元気にしていることも充分伝わりました。
また、こっそり体育保健委員長のOBが、後輩の様子を見に来ていたことも微笑ましく、確実に「碇ヶ関愛」が、先輩から後輩へ受け継がれていることも実感しました。
この経験が貴重なものとなり、この先ずっと、良い思い出となってくれるものと感じています。
取材を終え、そういえば私も実は地元が大好きで、今も地元に住み着いているなと思いながら帰路に着きました。(笑)