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自然と命の大切さを学ぶ


十和田湖小・中学校で行われたのはヒメマスの「地引網・採卵体験学習」。

地引網・採卵体験学習では十和田湖増殖漁協(秋田県小坂町)のふ化場で、地引き網による魚の捕獲、採卵、受精までの作業を行った。

【学習の趣旨】

十和田湖を代表する魚であるヒメマスの採卵作業を自分たちですることによって、その生態についての理解を深め、郷土の自然を大切にする気持ちを育む。

平成21年度から体験学習が始まり、今回は小学生3年生から中学生1年生が挑戦する。

十和田湖畔は、熊が出る可能性があり、児童生徒は熊鈴、教職員は熊スプレーを持参した。 学校からバスで15分ほどの距離にある十和田湖増殖漁協の「十和田湖ふ化場」で、小雨の降る中、荻沢道明場長から体験学習の流れの説明等がされた。

地引き網による魚の捕獲のため、雨合羽に着替えをし、魚道の河口に移動。

「今日はヒメマス獲れるかな?」

水路に向かう途中には、十和田湖のヒメマス養殖に尽力し、「ヒメマス養殖の父」と呼ばれる和井内貞行が約20年間養殖業に取り組んだ末、養殖に成功した「和井内ヒメマスふ化場跡」があった。また、ふ化場の隣には湖畔観光の発展にもつながる「道の駅十和田湖」がこの秋、10月12日にオープンした。

船から河口をとり巻くように降ろされた網を引く。

湖面は静かで、漁日和・・・大漁の予感!

力強く跳ねるヒメマスやサクラマス、ヤマメに悪戦苦闘しながらも皆で「イチ、ニ、イチ、ニ」と声を合わせて引き上げた。

3年前に放流され体長30センチに成長したヒメマスを地引き網で獲った。中には、魚を手でうまく掴んで運ぶ逞しい子どももいた。

昨年はヒメマスが不漁だったのだが、、、すごい!大漁大漁!

「網に魚がかかってよかった」(根岸颯舞さん)

獲った魚はふ化場に運び、種類や雄雌ごとに分類。

荻沢道明場長から「雄は頭が固く、肌も赤く雌を魅了するためだという。そして、雌は頭と腹が丸い。」と説明があった。

さあ、分類してみよう!うまくできたかな!?

「違いが分かってうまく分けることができたよ」(森田真由さん)

雄の腹を押して精液を容器に抽出。

なかなか出てこないので、手伝ってもらいながら、コツを掴む。

「アッ!出てきた」

ヒメマスを包丁でさばく。 お腹に包丁を入れて、すーっと腹を割く。

雌は、卵を産むと死んでしまうので、命の大切さを感じながら、丁寧に1粒1粒、残さずにオレンジ色の卵を取り出した。

「卵を丁寧に素早く取り出せた」(根岸満希さん)

卵に精液をかけ、手でかき混ぜて受精させた。

「無事にふ化できますように!」

卵は約50gで500粒になる。(1粒=約0.1g)

子どもたちがこの日、採卵したのは約570gなので約5,700粒になった。

「3年後、また大きくなって戻ってきてね!」と。 その時は、子どもたちも今よりもっともっと成長していると感じた。

地引網・採卵体験学習では、春に行う稚魚の放流から漁、採卵と一連の流れを通じて、生命の大切さを自分の手で身近に感じたのではないだろうか。

取材にご協力いただき、ありがとうございました。

十和田市立十和田湖小・中学校では他にも恵まれた自然を活かした独自の取り組みをしている。

6月・・・ヒメマスのヒレ切り及び放流体験

7月・・・1学期船上終業式(遊覧船の上で終業式を行う)

9月・・・サップ&カヌー体験(体験を通じ、水生生物の観察を行う)

     軍用ボート体験  (十和田湖上から自然観察を行う)

10月・・・自然観察学習(奥入瀬渓流を散策し、自然観察を行う) 

2月・・・かんじきフットパス(スノーシューを履いて森の自然観察を行う)

貴重な体験学習を通して学ぶ自然と命の大切さは、今後の生活に活かされるだろう。