ユニークなかかしで町を元気に!
取材地:青森県立青森北高等学校
取材日:2023年6月22日、7月6日
取材者:今村 菜美
毎年秋、青森市北部を通る国道280号線バイパスにはユニークなかかしが並びます。
その名は『かかしロード280』
青森市油川、奥内、後潟地区から蓬田村、外ヶ浜町、今別町まで、地域活性化とイメージアップを図り、地域間の連携や親睦を深めるためのイベントとして、かかしロード280実行委員会が主催し、今年で17年目を迎えます。
青森県ゆかりの著名人を題材とした高さ5メートルもある巨大なシンボルかかしもあり、今回は十和田市出身のものまねタレント「りんごちゃん」。このイベントには県内外からたくさんの人が訪れています。
この地域にある青森北高等学校では元々、7月の文化祭で展示するオブジェを製作していましたが、10年程前からかかしロード280にも出品するようになりました。
製作は毎年1年生が担当します。クラスから選抜された10名、全5クラス50名が体育館に集合し、かかしを製作します。このかかしは文化祭で展示され、その後かかしロード280でもお披露目されます。
今回は製作作業に密着しました。
体育館には、クラスごとにブルーシートが敷かれ、土台やたくさんの材料、工具が準備されていました。さらには、テレビ、新聞関係者が続々と取材に訪れ、機材の準備を行っていました。
はじめにかかしロード280実行委員長からのあいさつ。
「ユニークなかかしを作ってくださいね。1ヵ月外に置くので手足が飛んでいかないように作っていきましょう!」
各クラスに実行委員が1名つき、生徒たちにレクチャーします。
木材で骨組みをし、発泡スチロールで胴体、台所で使用するザルを二つ繋げて頭、ペットボトルで腕や脚を作ります。かかしはクラスで2体ずつ、計10体製作します。
さあ、かかし製作Let’sスターティン!
のこぎりや電動ドライバー、トンカチなどさまざまな工具を使い、慣れない手つきながら慎重に作業を行う生徒たち。時折ヒヤッとする場面もありましたが、皆で協力しながら作業をしていました。
「どんなかかしを作っているの?」
「お天道様」「ちいかわ」「トトロ」「大谷翔平」「担任の先生」・・・
人気のキャラクターや今年話題の人物などテーマはさまざま。このテーマはクラスで話し合って決めたようです。キャラクターの完成度を高めるため、タブレットで画像を見ながら作業しているクラスもありました。製作の様子を2日間取材させてもらいましたが、この時点で文化祭まで残り10日。その間、授業が終わった後に製作作業を続けるということでした。
時は経ち、9月。
私は『かかしロード280』を見に行きました。このイベントは9月上旬から約1ヵ月間行われます。
青森北高校のかかしはどこかなぁ・・・。バイパス沿いを見つめながら探していくと「あっ、あった!」
1年1組から5組までの10体のかかしがずらりと並んでいました。どれもテーマ通りのものが完成していました。
なんと、1年1組には特別賞の看板が!
たまたま居合わせた実行委員長に後日談を聞くことができました。
「製作期間が短かったから、手足が取れたりして何度も手直ししたんだよ。でも、受賞したかかしは全く手直ししなかったんだ。すごくよくできているね」
高校生の若い感性で製作されたユニークなかかし。
この地域は取材した私の地元でもあり、町の活性化のために頑張ってくれた生徒たちに感謝の気持ちでいっぱいになりました。沿道には車を止めてかかしを眺めている人たちも多数おり、皆にっこり、ほっこりしていました。
次はどんなかかしに出会えるかな?これからもユニークなかかしを期待しています!
青森北高等学校の皆さん、取材にご協力いただきありがとうございました。