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みんなでつくるギフト商品

 青森南高等学校の2年生は総合的な学習の時間に、企業と連携して「自社商品を素材に、新しいギフト商品をつくる」課題に取り組んでいる。7か月におよぶ学習の最終発表会が10月30日、同校の第一体育館で行われるということで、取材させていただいた。

 この学習では、実社会の課題を教材にその解決方法を学び、大学卒業後に社会で活躍するために必要な能力を高めることをテーマとし、

①課題を具体的に把握し、評論家ではなく実践者として対応できる

②自分の考えを自分の言葉でまとめ、他者に伝えられる

上記の2つを到達目標としている。NPO法人プラットフォームあおもりの協力のもと、「地域の人材育成を推進するための活動」を行っている団体が受けられる国の補助金を活用して実施されたものだ。

 まずは、最終発表に至るまでの、取り組みについて紹介したいと思う。

4月

 「はたらく意義」について、プラットフォームあおもり 米田理事長、弘前大学 学生就職支援センター 小磯副センター長、青森市男女共同参画プラザ 篠崎副館長からの講演を聞くことから始まった。

5~7月

 企業6社の協力のもと、各クラスが1社を担当。

  1組 コノハト茶葉店

  2組 サンキョウスマイルフーズ

  3組 THE企画エルサーチ

  4組 あおもりカシスの会

  5組 ラメラボーテ

  6組 Oeuf-ウフ-

 クラスの中で8チームに分かれ、「ギフト商品をつくる」をテーマに、それぞれの企業から課題を与えられ、チームごとに取り組んだ。

8月

 チームで考えたアイデアをポスターにまとめ、企業担当者を審査員に迎えて中間発表会が行われた。

 プラットフォームあおもりからの提案で、司会役を大学生に依頼した。

 考えた商品を与えられた約8分の時間の中で企業に提案。審査員からはとても辛口な評価をされたそうだ。

9月

 中間発表の結果を受け、チームで再び議論。提案内容を改善した。

10月

  生徒の投票で発表する各クラスの代表チームを決定。

 ついに…

 10月30日 これまでの成果を発揮するための最終発表を迎えた。

 第一体育館に2学年全員が集合し、学年主任の開会宣言により発表会が始まった。

 プラットフォームあおもりと企業担当者、大学生を審査員に迎え、

       6組 → 3組 → 5組 → 2組 → 4組 → 1組

の順番で発表が行われた。これまで何度か人前で発表する経験を重ねてきたこともあり、ステージ上でプレゼンテーションする姿は安定感のあるものだった。

「僕たちのことを知っていますか?」

 という問いかけから始まった5組は、化粧品会社ラメラボーテのギフト商品を提案した。

 与えられた課題は…

     ≪青森生まれのスキンケア「LAMERA」を使った新しいギフト≫

 中間発表で提案したギフト商品を、一から考え直し、新しいものをつくった。

その名も…

「すまいるんるんセット♪」

 セット内容は

  ラメラ スマイル石鹸

  シャンプー

  化粧水

 ターゲットを20代の女性に絞り、セット内容の石鹸にスマイルを埋め込むことで、笑顔が溢れてくることを表現した。男子生徒二人による息の合った掛け合いのプレゼンテーションはテンポがよく楽しいものだった。

 同店の常務取締役 外崎 氏は、

   「考えることが大切である。この経験が今後に役立つと嬉しい」と評価していた。

 トリを飾った1組は、世界各地のお茶・コーヒーを取り扱っているコノハト茶葉店のギフト商品を提案した。

  与えられた課題は…

  ≪シーンを贈るギフト≫

 1日をシーンに分けて考えた結果、歯磨きをテーマとした。

  緑茶成分に含まれる抗菌作用に注目し、茶葉を使った茶磨き粉の商品を開発した。

朝は短時間でピカピカ

昼は友達や職場の人とワイワイ

夜は家族で楽しく

こんなシーンは…

 あったかいんだからぁ♪

のギャグで、会場を盛り上げていた。

  さらに、笑いのある寸劇を取りいれて商品の効果を紹介していたが、同組の生徒が次々に登場。最後の挨拶で整列したときにはステージの端から端まで並ぶほどの人数が出演していてビックリ!

 同店の代表 三宅 氏は、

  「自分では考え付かない突拍子もないアイデアを聞くことができてよかった」と話していた。

 他の代表チームの発表では、商品の内容だけでなくパッケージに注目し、さまざまなパターンの箱の形を考えたチームや、自らデザインした手書きのイラストを掲載したチームもいた。

 また、FacebookやLINEなどのSNSを利用して宣伝するといった提案があり、スマートフォンを使いこなす若い世代だからこその発想だと感じた。

 発表会の最後に、全体の講評でプラットフォームあおもりの米田理事長は、

  「今回の取り組みで考えた商品は素晴らしいものであったが、その商品を考える過程を分  かってほしかった。大学でも同じような課題に取り組むことがあるため、その時に生かしてほしい」と話してくれた。

 審査結果は当日発表する予定だったが、発表時間が予想よりかかってしまったため、結果は後日、教えていただいた。

最終結果は…

1位 2組

2位 4組

3位 1組

4位 6組

5位 5組

6位 3組

 7か月におよぶ総合的な学習での経験は、今後の人生に役立つだろう。3年生になる来年度、違った内容でこの学習がある。将来への道筋となる、貴重な時間を大切に過ごしてほしいと思う。