「みんなでウッド・ジョブ!」 ふるさとの林で育樹体験
取材地:鰺ヶ沢町立舞戸小学校
取材日:2016年9月9日
取材者:総務課 髙村 玲
世界自然遺産白神山地を有する自然に恵まれた鰺ヶ沢町の舞戸小学校の四年生は、森林の生態系に理解を深め、動植物と触れ合う貴重な機会として、毎年、森林教室を行っている。
これまでも赤石川やくろくまの滝周辺での植林体験や、白神の森遊山道での森林散策を実施してきたが、この日は津軽森林管理署の協力もあり、白神の森に近い矢倉山国有林での杉の間伐作業や森林探索を行うという。
記者は久しぶりの取材ということで、美味しい森林の空気が吸えると、わくわくしながら鰺ヶ沢町へと車を走らせた。
さて、矢倉山国有林は海沿いの町中心部から中村川を15キロ程上流へ遡った場所にある。39人の児童らが乗った大型バスの後をついていくと、しだいに鬱蒼とした山間部に入ってきた。
現地に到着すると、管理署の職員皆さんが待ち構えており、一人ひとりにヘルメットを手渡した。山中での仕事には当然ながら危険なこともある。身を引き締める児童たち。
作業開始前に、管理署の署長から一言。「森林は二酸化炭素を吸い込み、地球温暖化や異常気象を抑える重要な働きをしています。その林を守り育てることを『育樹』と言い、今日はその作業をやってもらいます」と説明があった。具体的には、林の中で四方八方に伸びている不要な木や枝を間伐して、林の中に十分に日光が入ってくるようにお掃除をするのだという。
いざ、林の中へ踏み込む児童たち。
職員から鋸の使い方の手ほどきを受けた後に、いよいよ間伐作業開始。まずは斜面側に切り込みを入れておいて、次は反対側から斜面側に向かって木が倒れるように一気に切り倒す。危険なので、木が倒れる側にはいてはいけない。
慣れない鋸に苦闘する児童たち。
「鋸は押す時じゃなくて、引く時に力を入れるんだよ」とアドバイスを受けながら、一心不乱に作業中。
細い木の次は、太い木にも挑戦!直径30センチ近い木にチャレンジする男子もいた。
最後は、手頃な太さの枝を選んで、みんなでウッドコースター作り。枝を輪切りにして皮をくるっとはぐと出来上がり。家族全員分のコースターを作ってニッコリ。
続いて、職員に率いられて、日本最北と言われる天然杉の探索へGO!
天然杉の南限は屋久島だが、北限がここ鰺ヶ沢だということは実は知られていない。
記者も始めて知った事実。
雨でぬかるんだ林道をどんどん奥へと進んで行くと、向こうに見えてきたのは、、、。
突如、杉の巨木が目の前に立ちふさがった。
実際、ものすごい巨木だった。
樹齢250年以上と言われる天然杉。
屋久島に行かなくても青森県にもこんな巨木が存在する。
職員と一緒に、メジャーで幹周りを計測してみると、何と6.5mもあった。そこから直径を割り出してみると、2m以上という太さ。その迫力と大きさに驚く児童たち。
管理署の職員が使っているバーテックスという機械で、今度は樹高を測ってみる。
機械を覗き込んで、木のてっぺんに照準を合わせて計測中。
測り方で高さが微妙に変わるが、
なんと、34mもあることが判明!
自然の大きさを教えてくれた北限の天然杉巨木の前で、みんなで記念撮影。ぐるっと囲んで
ハイチーズ。ふるさとの自然がますます大好きになった森林教室の一日だった。